迷探偵艶笑譚 石田一松、江戸川乱歩 ------------------------------------------------------- 【テキスト中に現れる記号について】 《》:ルビ (例)誘導《ゆうどう》 [#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定    (数字は、JIS X 0213の面区点番号またはUnicode、底本のページと行数)(例)刺※[#「卓+戈」、U+39B8、33-上-13] ------------------------------------------------------- [#4字下げ]空想に乘る欲望[#「空想に乘る欲望」は中見出し] [#ここから改行天付き、折り返して1字下げ] 石田 まるで、誘導《ゆうどう》訊問《じんもん》係という、妙な仕事ですよ。商売往来にもあまり聞かない。 江戸川 裸問答といったって、まさか、寒中に、フンドシまで脱ぐわけじゃなかろうから、まア、お手やわらかに一つ。 石田 どうでしょう、先生の小説には、いろいろと生理的な場面がありますが、あれは経験やら実感などが主でしょうね。 江戸川 いや、空想の方がかえって書きやすいし、また、面白い。 石田 なるほど。――私はとても江戸川ファンで、あなたが寄席《よせ》のファンだとおっしゃる以上に、私は、学生時代からずっと「新青年」という雜誌を愛読しておりました。 江戸川 あの雑誌にはずいぶん書きましたからね。 石田 それで、私はあらゆる探偵小説を読むつもりだったんです。殘念ながら、戰災で焼いちゃいましたよ。 江戸川 罪業消滅《ざいごうしょうめつ》ですな。(笑) 石田 「芋蟲」というのなんか、あの当時に発行されたけど、よくパスしましたね。 江戸川 いや、パスしなかったんですよ。あれは「改造」のために書いたんだけど、ひどくやかましくてね。改造は評論雑誌ということで、床次さんの時代だったから、にらまれておった。左翼もいかん、エロもいかん。 石田 空想という翼に乘せたエロなんかあの程度ならパスさせるべきですよ。なんだか最後に芋虫が、ころころと草かなんかにころげて、井戸に落ちて死ぬ――。 江戸川 本人としては、生きておるのが意味がないので、自殺という形にしたのです。 石田 ああいう着想は、どういうところから――。 江戸川 つまりですね、潜在意識が作者に手伝うのでしょうね。泥棒だってそうです。誰にも泥棒したい氣持がある。ただ、それが抑制されているだけです。だから、僕の小説をまねて犯罪をやるというのがありますが、それは、單にきっかけであってむしろ、ああいうもので読者は自己満足すると思いますね。 石田 でしょうね。性欲にしても犯罪にしてもあそこに出してしまうと危険性の安全弁になるわけですね。 江戸川 そうですよ。だから、エロ雜誌の影響を云々されるが、そういう意味で役に立つのじゃないかとね。 石田 誰かが、エロについて話していたが、鉱山の坑道の入口などに、春画でも描いておけば、緩和されていいのじゃないかなんていってましたね。空想のエロなんて逞《たくま》しくする者ほど、実行力が少い。 江戸川 僕の小説には、ノゾキ主義が多かったですよ。 石田 ノゾキや息づかいを聞くというのは、実行よりも強いことは確かですね。刺※[#「卓+戈」、U+39B8、33-上-13]の程度が、どこかの温泉の風呂場かなんかを屈折した望遠レンズで見るのがありましたね。出歯亀《でばがめ》のハンサムな奴。 江戸川 ふし孔から覗《のぞ》くのが、一番かんたんです。けれども、それを複雑にしておるだけですよ。潜望鏡をつくって、風呂場を覗いたり、他人がひとりで、こっそり何かやっているところを覗く、これは一種の変態心理ですね。 石田 一概に変態とはいえないのじゃないですか。度を越すと、変態といえるのかもしれないが。 江戸川 西鶴《さいかく》の「好色一代男」の世之介、あれは七つごろの年で屋根の上から望遠鏡で隣家の女中の行水を覗く、女中の股のあたりに、合戦の跡が残っているなんてありますね。あれが十五六の田舍の子供なら、まアありそうなことだとも思える。アンリ、パルビユスの地獄だって、偶然のことからホテルの自分の部屋の壁に孔のあることを発見する。そして、隣室を覗く。※[#「けものへん+非」、U+7305、34-上-2]々親爺が小娘のスカートを強引にめくるシーンなどある。本当はありふれた事実だが、覗くという手を使ったところがミソですね。 石田 そうですね。若い時分には、男でも女でも、人のいるところでは至ってカマトトだけど、誰も見ておらんとなると、平気で醜態《しゅうたい》をやらかす。若いときに風呂場の鏡に、お尻の孔まで写して楽しんだという男がおったがそんなものですよ。あなたは覗かれたことはないですか? 江戸川 気がつかないけど、誰でも覗きたい気持はありますね。しかし、やってみると案外思ったほどのことはないですよ。 石田 そうですね、これも聞いた話だけど、夏の暑い午下りに、五つ六つの男の子が、真劍な顏をして、四五人で代る代る塀を覗き込んでる。みんな可愛いのをピンとさせていて、すこぶる愉快だったといってましたが、ただそれだけのことなんですね。 江戸川 僕らの子供のときは、縁日にノゾキという娯樂物があったり、西洋にもノゾキのエロ商売があるそうだが、それは特殊な人たちが、旅の恥のカキ棄てで見るだけでしょう。小説はそれを誇張して書く、読者の願望をそれで果してやる。いわば、変態防止ですよ。本当にやってみようなんてのは、滅多にあるもんじゃない。 石田 さしずめ、先生なんかは防犯協会あたりから、表彰されるべきですな。 江戸川 それほどでもないですが(笑) 石田 ふし孔文学潜望鏡詩人なんていうのがフンダンに現れるとなると、わが国の文学も国際線上にノシ上るでしょう、肉体文学なんてのは、ストリップがいよいよ隆昌になって、じつに影がうすい。 江戸川 さア、そいつはね。(笑)あなたの時局風刺ノンキ節は、いささか潜望鏡的洞察が必要じゃないんですか。石田潜望鏡政治家、ですか。 江戸川 文学にしても、かくされたものをえぐり出すことは必要ですね。出齒亀センスですがね。 石田 そうですね。そういう意味じゃ、銀座の四つ辻に、出齒亀の銅像でも――、尤も、こいつは犯罪者だから、ちと工合は惡いか。 [#ここで字下げ終わり] [#4字下げ]男色二筋道[#「男色二筋道」は中見出し] [#ここから改行天付き、折り返して1字下げ] 石田 先生は、いろいろなものに書かれたり、うわさに出たりするのですが、なかなか男色の方にご造詣が深いとか――。 江戸川 僕は蒐集家《しゅうしゅうか》です。べつに実行家じゃないんですよ。徳川時代の浮世絵草紙、そういうものを蒐集しております。まア、文献学者みたいな、学者といえるかどうかつまり書斎派ですね。全部集めてやろうという欲望は相当なもんでしてね。 石田 だから、いきおい好奇心をもたれることになるんですね。 江戸川 そうです。男色というと変だけど、一種の思想的なものに憧《あこが》れるということになる。同性愛を遡《さかのぼ》って、ギリシャ神話に憧れる。原典を読みたくなる。といって、学校まで通って、どうこうという気にはなれない。それで、ギリシャ英語訳本をずいぶん買って、勉強したが、じつに豐富に材料がありますね。ああいう男色関係の文献では日本は世界的ですね。 石田 ほほう、そうですかね。 江戸川 向うの文献に、日本のものが盛んに書いてあります。もっとも、元祿時代が中心だけども、元祿時代の日本の男色文学というものは、非常なものですね。 石田 男色というと、定義はどうなんでしょうね、男と男の同性愛ですか? 江戸川 そうです。 石田 いま、オカマというのがありますね。相当流行してるそうだが――。 江戸川 女装しておるのと、背広なんか着て男のままのがありますが、女裝しておるのは、本当の同性的じゃないね。僕は男色についてはよく隨筆を書いておりますから、間違えられる。実行者ということでね(笑) 石田 同性的でないというのは? 江戸川 それはですね、女装するということは、すでに女としての魅力で引張ろうというのですから、これは同性愛じゃない異性愛だ、純粹の同性愛は、男として男を愛するわけですよ。 石田 なるほどね。で、戦後の日本も大へんな流行らしいが、これは、戦地でそれも覺えたことや、いろいろの国の人が来たり、一種のテライみたいなものが作用したりするんですね。戦後、フランスの有名な文化人が来て、こちらの文化人との座談会で日本の文化人に男色がないと聞いて、本氣にしなかったそうですが、あちらほどじゃないということでしょう。 江戸川 そんなところでしょうね。あちらの男色は、ギリシャ時代や徳川時代のあれとちがうんですね。昔のは、年長者と年少者との組合せだった。ところが、ドイツやフランスのは対等のそれが盛んですよ。 石田 中国の相公《シャンクン》だって、ひげを生やしたりしているそうですね。カイゼルひげやコールマンひげ、ヒットラーみたいなのが女の勤めをしてくれるとなると、こちらの防衞も固めておかないと――。 江戸川 再軍備しなくちゃ危い。(笑) [#ここで字下げ終わり] [#4字下げ]整形的麗人[#「整形的麗人」は中見出し] [#ここから改行天付き、折り返して1字下げ] 石田 先生の少年時代に、そういう経験はなかったですか? 江戸川 まア、追っかけたり、追っかけられたりですね。地方に多い。学校同志が大げんかをやったこともあります。 石田 いまは、男女七才から膝を交えるから女学校にだって同性愛は少くなったでしょう。男色では、痔《じ》になるおそれがありますね。 江戸川 本来の男色はそうだけど、今はやり方が変っているんじゃないですか。そんな病気はなさそうですね性病は危いが。 石田 僕も追っかけられたことがありましてね。芸人になってからですよ、大阪あたりで、ずいぶん困りました。 江戸川 それはご愁傷なことで。(笑) 石田 笑いごとじゃないですよ。それが有名な女形でして、一しょに舞臺に出ている間、口説かれどうしです。こっちが男とわかっておるのに浅黄の腰卷なんかして、「お兄さん」なんて流し眼でお酌《しゃく》をする。女より色っぽいものですな。 江戸川 妙な気持がしますよ。男の役目をするのは、普通の男の氣持もあまり変らないが、女の役目の方は病的ですね。とはいうものの、こういうのは数にして非常に多い。世界的に多いから、果して変態心理かどうか、キンゼイ報告にも、同性愛の経験をしたものが五○パーセントとある。となると、特殊の例といえない。元来、青少年時代にその経験があって、後々まで尾を引くことと、人間には男と女の分子があるから、女の分子の多い男が、同性愛の女の役目を何かの刺※[#「卓+戈」、U+39B8、ページ数-行数]でやり始めるということになるわけですね。 石田 だから、男色でも女の役目をしていたのが、男の役目をやらせてくれとなって、どっちがどうか、しまいにはわからなくなるという話ですね。やってもいいし、やられる方が尚いい。夫婦生活など平気でやってる。女房の役目になる者はお針も炊事もやる、あぐらなんかかかない。 江戸川 女同志だってある。女の人が、男の役目をする女の傍へ寄っても、女を感じないそうだ。男臭いといいますね。 石田 ケモノ臭いのじゃないかな。そんなのは、男装の麗人じゃなくてて卵巣の麗人かな。(笑) 江戸川 第―次大戦の直後に、西洋でも髮を短くするのが流行した。日本でも断髮《だんぱつ》が流行したでしょう。こん度も、ショートスカートが、フランスあたりから流行している。男性の不足からか、他の理由からか面白い現象ですね。 石田 面白いといえば、外科手術で男が女になって結婚したり――アメリカ人の戀人のできたというのが、新橋のキャバレーにいる。あちらにもいますね。あれは卵巣もないし、子宮もない。 江戸川 整形美人。そういうことですね。 石田 新聞をみると、子供はできないが、夫婦の営みはオーケーだそうです。 江戸川 新橋のは、人工の腔が手術で拵えてあるという話だ。便利なもんだな。 石田 便利すぎてどうも、僕らも早いとこ両方拵えておけばよかったかな。女だと片方はいつも孔があいておればいいわけだが、大きいままで開け放しだと困るでしょうね。伸縮自在にならないと。(笑) 江戸川 それは医者に聞いてみないとわからないが、なるほど、男のやつがデント大きいままだと、これは厄介ですかな。 石田 いや、男の方は大きくなりっ放しでいいでしょう。生じっか遠慮してくれなくても。(哄笑) 江戸川 最近、日本にもチン切りやらなにやらで、人工ペニスの話がよくありますね。まア少々切られても、病気でない限り、肉が盛り上って、結構役に立つらしい。 石田 役に立たなくても、立つだけは一応立ってもらいたいですな。 江戸川 僕らは切られる心配もないが、切られるぐらいの愛慾生活をやってみたいと、妙な憧れをもつ者もいるだろうな。 石田 そういう小説を、どうか一つ。(笑) [#ここで字下げ終わり] [#4字下げ]ネクタイ綺譚[#「ネクタイ綺譚」は中見出し] [#ここから改行天付き、折り返して1字下げ] 石田 話に聞いたんですが、このごろ吉原にちょっと面白いカフヱーができたそうですね。凄い人間の空想を、いちいちと実現化するというわけです。たとえば、風呂場には女性の象微をしたのがあって、そこからお湯がでたりする。スイッチを押すと、部屋の中に幻燈が写ったり、柱を開けると枕草紙が入っていたり。 江戸川 面白い構想ですが、僕にはちと趣味に合いませんね。それよりは、ガラス製のパノラマで、魚の泳いでいるのや、海の底の景色が見える、その程度のものなら、一つ、設計してもいいなア、と思いますね。変態性慾やグロの世界を描いてはきたが、実際にやろうとすると、そうあくどいことはできない、男色小説もいくらか書いたが「孤島の鬼」などがそうで、機関のやかましいときに、あのくらい書けたのだから、いまなら誰かが、もっと凄いのを書きそうだけど、案外出ないところを見ると、人間の空想も大したものじゃないですよ。 石田 花柳界でも、先生のものはよく読まれていましたね。はじめに申上げたように、僕は先生の愛読者で、こわい奴だろうと思っておったのに会ってみると善良な好々爺《こうこうや》でがっかりですよ。 江戸川 冗談じゃない、お化けぐらいに思ってたのでしょう。そう思ってる人も多いでしょうね。だから、女が寄りつかない。 石田 昔は蔵の中で執筆されたということだから、やはり変人だという印象がありましたよ。 江戸川 変人性はあった、しかし、訓練しましてね。どうやら、好々爺がっかり之助に昇格です。(笑)訊いてばかりいないで一つぐらい出したらどうです。 石田 そうですね、じゃ凄いのを一つ出しましょう。これは先生の小説じゃなく、体験談だから、大阪で、もう明日は東京へ帰るという晩、寢て朝起きてネクタイをしめようと思うと、しまらない、眼をあけてみたら、首をしめられておる。 江戸川 というと? 石田 ネクタイをしめている夢をみていたわけで、本当は首をしめられていたんです。 江戸川 女にね。 石田 そうなんです。 江戸川 そいつは大ごとだ。殺人未遂だな。それで? 石田 既遂ならノンキ節も出っこない。 江戸川 そりゃそうだ。(笑)あまりノンキな話ではない。 石田 ひとごとだと思って安心しないでください。――六日間ぐらい、紐のあとが殘っておった。後ろからやられたのだからたまりませんよ。女の方では、東京へ帰すまいというのです。命がけで殺して、そのまま自分のところへおいておこうという寸法ですね。 江戸川 それから、おもむろに三枚に卸して食べようという――。(笑) 石田 一松のナマスじゃ、ちとアクが強すぎるのでしょう。 江戸川 ニガリが多くて、包丁がワヤだ。 石田 どうもいけませんね。 江戸川 いや、冗談は冗談として、それから、どうしました? 石田 どうもこうもない、それだから、僕は女にほれられないように、こっちからほれるようにと、宗旨《しゅうし》を変えたんです。そのとき、もし眼がさめていなかったら――ぞっとしますね。 江戸川 そりゃ、怪談だ。 石田 怪談ぐらいに思ってるんじゃないですか? 江戸川 そうじゃない、凄い話ですよ。夢中になって追っかける方が、男性的でいい、とにかく、ネクタイはいけませんね。 [#ここで字下げ終わり] [#4字下げ]近ごろ異なこと[#「近ごろ異なこと」は中見出し] [#ここから改行天付き、折り返して1字下げ] 石田 なんか近ごろ、変った話はないですか? 江戸川 この間、千葉の方の刑務所を見学して、なにか話をしてくれというので行きました。八年とか十年という重罪人ばかりを一室に集めて、さて、どう話をしていいのやら、少々迷ったのですが、あまり刺※[#「卓+戈」、U+39B8、ページ数-行数]しない、当らずさわらずの話というと、二十の扉のことでも話すより外ない。非常に清潔な明るい場所で、服務している人たちも、びっくりするほど健康で明るい。あっちこっち講演して廻った中で、一番感じのいい聞きてでした。ずいぶん受けましてね。 石田 設備、とくに文化施設もよくなったのでしょうね。 江戸川 そうなんです。いっしょに行った者たちが、ここでしばらく泊めてもらって原稿を書きたいなア、としみじみ羨しがっておりました。機会のある毎に、どしどし訪ねて行きたいと思いましたね。 石田 そういう所なら、一つ、引越しますかな。 江戸川 無期ぐらいにしてもらってね。下手すると死刑になる。そのネクタイでどうです、僕をやりませんか? 石田 逆にやられそうだな。案外[#「だな。案外」は底本では「だな 案外」]、先生も僕のようなことを考えているんじゃないですか? 江戸川 人聞きのわるい。(笑) 石田 この間、自動車で家へ帰りましたときに、いくらだと運ちゃんに訊いたら、いりませんよと笑ってる。変な野郎だと思いましてね。エントツで相当稼いだのだろうが自動車代ぐらい無料にされたってうれしくない、というと、わたしが小菅《こすげ》にいましたときに、心から慰問してくださってほんとうにうれしかったんです。だから、お禮の意味で受取るわけにいきません、というんですね。これにはジーンときましたよ。どのみち、車代なんか知れたもんだけど、相手の志を無にしちゃいけないと思って、「そうかしっかりやってくれ」「ええ頑張ります、もう大丈夫です」いい顏していましたね。 江戸川 それはいい話だ。酒の味が急によくなった。 石田 いまごろも一生けんめいに流してるでしょう、今晩あたり、また顏が合うんじゃないか、なんて思いたくなりますね。 江戸川 こんど会ったときに彼を読んだノンキ節でも聞かしてやるんですな。 記者 では、このへんで。 底本:「粋談 はだか読本」筑摩書房    1955(昭和30)年9月30日発行 ※新字と旧字の混在は、底本通りです。 ※「欲」と「慾」の混在は、底本通りです。 入力:sogo 校正: YYYY年MM月DD日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。